未明の軽井沢のスキーツアーバス事故は悲惨だった。
さっそくバス会社に警察の捜査が入ったようだ。
だがちょっと待ってほしい、一般道走行スピードでの単独事故であそこまで車体が損傷し、乗っている人間の生存空間が確保されないと言うことは看過できないのではないだろうか。

車体剛性が軽自動車と同等ないしは低いというのは許されるのか?
軽自動車は自損事故でも最大4人しか死なないが、バスでは、今回でも14人が亡くなっている。バスは、鉄道や航空機と同じく、大量公共輸送機器だ。
飛行機は、墜落したら生存率は限りなくゼロだが、それでもなお、生存率を上げるための安全設計や機体強度に最善を尽くす。
その安全設計思想は、「人間はエラーを犯す」ということである。これを前提に、まずエラー自体を起きにくくする、そのうえでエラー(誤操作)が起きても乗員の命は機械が守る、これがマンマシンシステム設計の最低基準だと思う。

バスの正面・後方・側方衝突、横転時の安全基準は、乗用車よりゆるすぎるのだ。 皆さんも、乗用車の衝突実験はテレビで見たことがあるだろうが、バスのそれはないだろう。今回の事故でもたぶん検証されない。
しかし安全基準がもうすこし厳しければ、たとえば車体中央部に梁枠を義務化するとかすれば、今回程度の事故で死なずにすんだひとが多かったのではなかろうか。

バスの死亡事故が起きるたびにバス会社と旅行会社は責められるが、バスのメーカーや安全基準を司る国が責められることがないのは納得がいかない。

メーカーと国こそが真犯人として追求しよう。
ご遺族も、時速60~80キロでの自損事故で、車体(側面と天井)

につぶされて人が死ぬというのは、欠陥品に乗せられているという認識を持って、バスメーカーと国を訴えて欲しい。bus_acsi


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5 thoughts on “バスの車体の衝突安全性

  1. バスは乗用車に比べて胴長で、重量も重い。同程度の対衝突剛性でよいわけはない。
    運動エネルギー=1/2×(質量≒重量)×速度の2乗、なので同じ速度なら重量の重いバスは衝突時のエネルギーは大きくなる。
    だからバスの箱形の車体を保持する強度は、天井であれ側面であれ乗用車の比ではないはずである。
    またバスは乗用車より重心が高い(車体重心より上に人間という重くて固定不十分な荷物を積んでいる)ので、乗用車より簡単に横転する、横転すれば天井が障害物に衝突することは容易に想像できる。天井の強度がおろそかにされてよいわけでは全くないといえる。
    ちなみに高速道路走行中に2度、乗用車の衝突横転事故の瞬間を目撃したことがあるが、屋根と路面の摩擦で火花が出るほどの衝撃だったにもかかわらず、車体の天井はつぶれなかった。
    バスもその程度の安全強度は義務付けてもらいたい。

  2. FBでも指摘がありましたが、フレーム構造のバスとモノコック構造の自家用車を比較するのがナンセンスでしょう。仮に強度を増してバスが作れたとしても、装甲車のようになったバスなど誰も乗りたくありません。またそのようなバスでも事故を起こせば人は死にます。

    桝本さんは製造物責任の観点からこの記事を書かれたのでしょうが、工業製品に絶対安全なものなどありません。鉄工所で使うサンダーやカッターなど、ちょっと油断すれば、指の2〜3本すぐに飛びます。でもカッターに製造物責任を問わないのは、使う人がプロであるという前提があるからです。自家用車でも人を引けば業務上過失致死傷になるのは、自動車というものはそもそも危険なものであり、プロが取り扱うもの、つまり素人であったという言い訳は通用しない業務であるという考え方があるからです。

    航空機や車両、バスなどの大量輸送ビークルは、操縦者がプロであるということをより徹底して作られ、運用されています。この度の事故も、車体剛性を増す前に、プロがプロとして運用できる仕組みなど、考えるべき点は多くあると思います。

  3. 航空機自体の安全性をおろそかにして、パイロットの熟練度を上げても事故は防げません。
    本文でも述べましたが「人間はミスを犯す」、これは避けがたい事実です。
    したがって、可能な限りの安全対策、人間がミスを犯さない工夫を機械に施すことが事故を減らし、事故が起きたときに人間の被害を軽減する唯一確実な方法です。

    日本だけで年間4000人以上が亡くなり、70万人に怪我を負わせる自動車の危険は、これがほかの機械、たとえば家電や業務用の機械であればもう売ることができないし、設計を変えない限り危険すぎて使えないと葬り去られるレベルだと思います。

    人間に「やってはいけない」を教え込のも守らせるのも、全くの不可能事です。しかし自動車に、ある安全基準を義務づけ守らせるのは難事ではありません。
    バス=自動車に組み込めば安全が高まる基準は、車検のある日本では必ず実現し、日本における交通事故、とりわけ死亡事故は劇的に減らせます。

    バスは、側面衝突~横転~天井衝突という過程で、乗客を死に至らせる要素がどこにあるか検証し、ボディの形状や強度、内装の衝撃吸収度などを検証して改善すべきです。

    バス会社、格安旅行社だけを責めても埒はあかず、バスメーカーを巻き込んで安全性の検証をしない限り、悲惨な大量死傷事故はなくならないでしょう。

  4. バス会社は登録取り消し。しかし激安発注元の旅行代理店はまた別のバス会社の値段を買いたたくわけでしょ。
    これではへたくそな「モグラ叩き」、決してバスの横転死亡事故はなくならない。次ぎ死ぬのは中国人旅行者が死んで慌てふためくのか。「日本のバスは安全ではない」とアメリカやヨーロッパからは「日本のバスは我が国の安全基準を満たさない」とか言われて詰むとか。
    高速鉄道がアメリカで苦戦しているのは、車両の堅牢性がヨーロッパ規格に劣る、つまりアメリカは事故前提、日本の新幹線は「事故ったときに安全なのか?」「いや事故そのものが起きない」「あんびりばぼー、ほわい じゃぱにーずぴーぷる!!」と無益なやり合いをしてるうちに、トンビに油揚げをさらわれる。
    「事故前提の安全確保」は世界標準だと思う。

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