なぜ今?NHK「クロ現」国谷裕子キャスター降板
テレ朝「報道ステーション」の古舘伊知郎さんの降板に続いて、NHKの看板情報番組でもある「クローズアップ現代」から、国谷裕子(くにやひろこ)さんがこの3月いっぱいでキャスターを降板することが、昨日7日あきらかになりました。プロデューサーは続投を希望していたけれど、上層部からの「番組を一新したい」という意向が強く、降板が確定したということです。
国谷氏はオールマイティーなアンカーマンで、バックにNHKの強力な大型番組取材班を従え、内外の注目を集めるニュースをデイリーで放送してきました。最近では官邸から予定にないインタビューをしたことで、上層部が厳しく注意されたなどの話題が週刊誌を賑わせ、そこだけ見ていると、あたかもなんらかの政権からの圧力がかかって、降板したかのように見えます。たしかに物怖じせずに真実に迫ろうと言う姿勢は、一環して貫かれていました。
(2/26追記):真相は「キャスター3人の降板は首相官邸の圧力によるものだ、と海外メディアは断定した。」をお読み下さい。
しかし今回の国谷さんの降板劇は、安倍政権の言論弾圧とは直接何の関わりもありません。放送開始から25年、ようするに長すぎたのです。僕の知っている限り、10年以上前から、「今年度いっぱいでクロ現から国谷さんは降板するらしい」というウワサが毎年のように局内を駆け巡っていました。それでも毎年更新が行われたのは、彼女の他に類を見ないキャラクターと大型企画番組チームとの見事な連携が取られていたからでしょう。
国谷さんはNHKのアナウンサーでもなければ、職員ではありません。よくNHKの顔のように思われますが、彼女はフリーランスなのです。報酬は一年契約で、毎年更新されてきました。そんな国谷さんだからこそ、組織のしがらみにまかれて忠実に無難なことを言うアナウンサーとは、一味違った幅の広い自由闊達なトークを見せてくれたのでしょう。
キャスターは番組の代弁者ですが、アナウンサーは局の代弁者です。新年度夜10時台に移行して始まる新番組は、アナウンサーが抜擢されるようですが、様々な人の独自な意見が見られるように期待したいものです。
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