池上彰をハメた「フジテレビ韓国スペシャル」ねつ造の手口

韓国特集スチール

6月5日に放送されたフジテレビの金曜プレミアム「池上彰緊急スペシャル!」。この番組で放映された韓国人の街頭インタビューが、実際の発言とはまったく異なる内容の字幕をつけていたことで、ねつ造疑惑が持ち上がり、番組の信ぴょう性が大きく揺らいでいます。番組のみならず、下手をするとプレゼンテータとしての池上彰さん個人の信用にも影響しかねない問題です。となるとファンクラブ主宰の僕も、黙ってはいられません。徹底究明をフジテレビに要請しました。

問題は「知ってるようで知らない韓国のナゾ」と題された番組内の「韓国 反日のルーツに迫る!」というコーナーで、「なぜ韓国はそこまで日本を嫌うのか」「そして実際、韓国で日本について話を聞いても」とのナレーションをつけ、ソウルでの街頭インタビューの内容を放映した際に起こりました。その中で3番目に放映された女子高校生につけられた吹き替えと字幕は

「嫌いですよ。だって韓国を苦しめたじゃないですか」

となっていました。ハングル語が分からない僕は気が付きませんでしたが、ハングル語の分かる視聴者からの指摘で、実際にはその女子高校生のセリフは、

「文化がとても多い。そして外国人が本当にたくさん訪れてくれるようです」

であったことが明らかになりました。まったく真逆のメッセージです。おまけに番組の本質に関わる部分です。外国人の外国語のセリフを、ボイスオーバーしたり字幕をつけたりして日本語の訳を載せる時、専門の通訳の力を借ります。それはインサートVTRの編集中に行われ、もっぱら担当ディレクターと編集マン、そして通訳といったメンバーで作業は進められます。

この時、通訳を誰にするか選定するのは、ディレクターである場合もあれば、プロデューサーである場合もあります。いずれにしても全面的に信頼できる人物を、通訳として選定するのが普通です。もし裏切られて、誤訳やねつ造の訳がつけられても、最終的な試写ではチーフ・プロデューサーの塩田千尋氏をはじめ、池上さんでも通訳の件まではチェックできなかったでしょう。担当プロデューサーの濱潤氏や、下請けプロダクションのスタッフラビの担当プロデューサーである池田睦也氏もチェックできなかったと思われます。

ではなぜ、こんなに信頼の置けない通訳を、下請けプロダクション、スタッフラビの演出担当ディレクター原島雅之氏は起用してしまったのでしょうか。一番の問題はそこにあると思います。しっかりギャラのかかるプロの通訳では、このようなミスを犯すはずがありません。そこら辺にいる日本語の分かる韓国人、あるいは、韓国語のわかる日本人を、格安の予算で起用してしまった、というケースがまず疑われます。そんなに難しい韓国語じゃないから大丈夫だろう。あるいは信用できる誰々の紹介だから大丈夫だろう、という思い込みがあったかも知れません。

ではなぜ、こんなに見え透いたねつ造をしたのでしょう? 何のメリットがあったというのでしょう? テレビ局の関係者にはこんなすぐバレるねつ造をしても処分を受けるなど、デメリットばかりです。プロダクションも信用問題だから、スタッフラビがこんなことをするとは考えられません。あるとすればわずかばかりのギャラをケチって、プロの通訳を使わなかったかもしれないケースです。予算削減の中、ありえない話ではありません。となると実行犯である偽通訳と、その偽通訳を紹介した謎の人物が、意図的に番組に地雷を仕込んだと考えるのが、一番可能性が高いように思います。

それはアンチ池上で、池上さんに恥をかかせようと初めから狙った可能性もあります。あるいは嫌韓国の方向へ、番組を誘導したかった人物かもしれません。これだけ韓国語が分かる日本人が大勢いる中で、しかもその人達が視聴者になっている可能性が高い番組で、単純な翻訳ミスでごまかし切れるとは、ちょっと思えません。バレることが前提だった。となると個人的な感覚ですが、何か陰謀のにおいがします。

僕がプロデューサーだったら、このようなデリケートな番組には、日本語のわかる韓国人のスーパーバイザーを一人、スタッフに入れて監修をお願いすると思います。

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6月29日追記:フジテレビは番組ページで「編集の作業でのミス」と「最終チェックの不十分」を挙げて謝罪していますが、2箇所も編集ミスがあったことは驚きです。私は仮に編集ミスがあろうとなかろうと、そもそも街頭インタビューの編集において、一方的な意見のみを選んで集めることからして、演出としていかがなものかと思います。社会的に意見の別れる問題に対しては、街頭インタビューを双方まんべんなく取り扱うべきだと思うからです。

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2 comments to “池上彰をハメた「フジテレビ韓国スペシャル」ねつ造の手口”
  1. この番組は見ていません。お話からすると「韓国 反日のルーツに迫る!」の企画が先にあって、ディレクターの指示で、それに相当する映像を用意しろと言われた下職が、韓国人の反日コメントならいくらでもある。どれにしようかな?っていうんでうっかりこの女子の映像をはめ込んでしまった、という単純ミスのような気もします。お粗末ですけどね。

    • フジテレビは「編集作業のミス」と番組サイトにしれっと釈明していますね。本当にうっかりミスなら、あまりにもお粗末すぎると言わざるを得ません。

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