いったい誰が安倍総裁の首に鈴をつけるのか
「野党なき総選挙」2014年冬の衆議院解散総選挙は、予想通り与党の圧勝で終わりました。それにしても野党の凋落ぶりは痛々しくなるほどでした。共産党以外の野党はすべて解散せよ、と国民の審判が下りたといってもいいのではないでしょうか。2年前まで政権をとっていた民主党は代表の海江田万里氏が自らまで落選して代表を辞任。元首相の菅直人氏も比例区ビリ当選というありさまです。みんなの党で張り切っていた渡辺喜美氏も盤石の地盤を持ちながら落選。他の弱小野党は有象無象という感じで、共産党を見習いなさいと言いたいくらいの情けなさです。
一方、消去法的に票を取ったとは言われても衆院の3分の2をゆうに超える自民党、公明党の圧勝ぶりはこれからの日本の舵取りが事実上与党独裁体制に入ったことは間違いありません。自民党の出してくる法案は次々に通るでしょう。公明党には前回の集団的自衛権の時のように、「おや?」と思うところでお目付け役の仕事をしてくれることが期待されていますが、事実上一党独裁です。20年前までの自民党55年体制の時は、明確な野党との対立構造がありましたが、それさえありません。
いずれにしても日本がまた、自民党しか無い、という政治体制に入ったことは肝に命じなければなりません。二大政党構想は完全に失敗に終わりました。民主党は霧のように消えてしまったかのようなありさまです。共産党に立派な野党として活躍してもらわなくては、とさえ思うほどです。新しいこの政治体制について、私たちはちょっと頭を切り替えて行かなければならないと思います。
与党が独裁体制に入ったことは、悪いことばかりではありません。法案がスムーズに通って政策が進めやすくなります。また今まで日本のリーダーはころころ変わって、外国から見ると誰と話したら良いのか、という状態でした。アメリカでも大統領は4年続けますから、ある程度安定した政治基盤は不可欠でしょう。ただし首相として安倍晋三氏が人格的にも政策的にも適任者であるか、といえばそれは別問題です。自民党にも様々な人材がいます。僕の関心は野党よりも自民党内部へと急速に方向転換しました。旧自民党の派閥は解消されましたが、新たな派閥が生まれているのは自明の理。それがうまく機能すれば猫の首に鈴を付けられます。自民党に入党して内部から変えていくのも一つの方法です。
安部政権は憲法改正を目指すでしょう。憲法改正については僕自身は賛成です。特に事実上憲法を絶対変えられなくしている第96条については、中学校で初めて日本国憲法を習った時から疑問でした。他はたいへん良く出来ている憲法だなあ、と感動しましたが、衆議院と参議院で3分の2以上で可決しないと、国民投票もさせてもらえないなんて、ちょっと変えづらくし過ぎじゃないか、と子供心にも思いました。また第9条も自衛隊を軍じゃないと言い切るあたり、捻じ曲げ解釈し過ぎだなあと思ってきました。ねじ曲げて解釈するくらいならば、憲法を変えるか自衛隊をなくするかどっちか、というのが筋でしょう。
憲法を変えるなら変えるで、人権は後退していないか、侵略戦争を絶対しないと明記されているか、徴兵制はなしと明記されているか等々、とにかく改正案を徹底的に読み込んで、じっくり国民投票に備えればいいのです。
とにもかくにも残念なのは、投票率が戦後最低を記録したことです。これから私たちは憲法改正の国民投票という大事な選挙を眼中に入れなければなりません。そんな時に国民が選挙に関心がなくていいのでしょうか? 今から選挙の練習を、というか民主主義の練習をしておいてもらいたいというのが、僕の切なる願いです。
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