STAP細胞は「存在しないと断言していい」理由
まずあなたが理系か文系かで、この記事を読む感覚が大きく別れると思います。学生時代に理系だったか文系だったかではありません。科学的思考を得意とする人か苦手とする人か、という意味です。
理系の人なら「悪魔の証明」の話をすれば、ああそうか、と解っていただけると思うので、これ以上読む必要はないかも知れません。文系の人ならまず科学者が見解を述べるときの、独特の言い回しについて、知っておく必要があります。科学者はよく「可能性がないとは言い切れません」という言い方をします。特にマスコミなどでの公式発表ではよく使います。
「可能性がないとは言い切れません」という科学者用語は、概ね文系用語に訳すなら「可能性なんかないに決まっているだろう。だけどそれを私に証明しろとは言わないでね」という意味です。STAP細胞が99.9999パーセント存在しなくても「存在しないとは言い切れません」という表現をします。厳密さを追求する科学の世界では、「STAP細胞は存在しません」と言ってしまうと、残りの0.0001%について自ら研究し、それがゼロであることを証明する義務が発生するのがルールです。それを「悪魔の証明」と呼ぶのです。
子供の頃、科学者に「幽霊は存在するのか」と質問したことがあります。答えは「存在しないとは言い切れません」でした。それを聞いた文系頭の僕は、おや、科学者が幽霊は存在すると言った、と受け止め興奮して盛り上がってしまったことがあります。愚かなことです。それと同じレベルの愚かなことを、日本の政府がやってしまいました。専門家である科学者が「STAP細胞が存在しないとは言い切れない」と言ったのだから、STAP細胞を見つけるための研究を、税金を大量に使ってでもやるべきだ、と指示したのです。
科学者である技官たちは、内心アホらしいと思いつつも、行政官でありますからこの命令に従わざるを得ません。こうして国民の血税は幽霊探しに使われていきます。政治家もマスコミも、ちょっとだけ科学的に考える能力を身に付けていれば、こんな悲喜劇は起こらなかったはずです。
文系である私達こそ、このちょっとした科学的思考力を身につけるべきではないでしょうか。
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小保方氏の上司で共著者だった笹井副センター長が自殺しちゃいましたね、何が彼をそこまで追い込んだのでしょう、自殺する前に洗いざらいぶちまけて「自分も世間もすっきりさせる」という選択肢はなかったのでしょうか。
たぶん「自殺に見せかけた他殺」など陰謀説、「上からの圧力」説が飛び交うことでしょう。
桝本さん。僕も消されたくないのでこれ以上の言及は避けますが(謎)、笹井氏にすべての責任を押し付けて一件落着という展開は、ちょっといかがなものかと。
途中から「STAP細胞」という言葉を使わず「STAP現象」と言うようになった笹井氏は、真面目で優秀な研究者だったのだと思います。真面目であるがゆえに科学者としての良心に背く仕事はさぞかし辛かったことでしょう。
ご冥福をお祈りします。
12月18日、ようやく小保方さん自身の追試験の結果が出ましたね。僕がこのブログを書いた時点で速やかに方向転換していたら、無駄な半年と膨大な研究費と貴重な人命を失わずに済んだと思うと残念です。
http://news.yahoo.co.jp/pickup/6142672