6月23日イギリスのEU離脱が起こすショックとは


イギリスのEU離脱

日本では6月22日は参院選の公示日ですが、世界的にはその翌日、23日にとんでもない事態を引き起こしそうな気配なのです。僕はEUの要であるイギリスが、EUを抜けてしまう可能性がかなり高いと踏んでいます。離脱すべきか、しないべきか、英国内の世論は真っ二つに別れて23日に国民投票が行われます。今の時点での世論調査では、離脱派が49パーセント、残留派が44パーセントです。

離脱派は、なぜEUを抜けたいのか。それはズバリ難民の受け入れ問題です。難民をほとんど受け入れていない日本の僕が言うのもなんですが、EUには難民を受け入れなければならないという規則があります。シリア難民をはじめ、膨大な人数の中東からの難民がEUに押し寄せていることはご存知のとおりです。ドイツは120万人もの難民を引き受けました。人道上とても立派なことです。ただイギリス人の本音は、難民を受け入れたくないというところにあります。

イギリスは手厚い福祉政策で知られますが、それを知った難民たちがイギリスに受け入れられると、イギリス人は自分たちの高い税金で難民たちを養うことになります。それはたまらない、というのが離脱派の主な主張です。EUに加盟している限り、その義務から逃れられません。だから離脱して独立しようというのです。

ただ泡沫国が離脱するのと、EUの、いや世界の経理部ともいうべき経済のリーダーシップをとってきたロンドンが、EUからいなくなるとなるのでは大違い。世界経済は大混乱です。証券取引所は、アメリカはニューヨークのウォール街、アジアは中国の上海、ヨーロッパはイギリスのロンドンという拠点で、世界を回っています。そのためロンドンに本社や経理本部を置く企業も多く、ロンドン市場がEUを代表していると見られてきました。

ところがロンドンがその機能を果たせなくなると、EUの経済的リーダーシップをとる国は、さしずめドイツあたりになるような気がしています。そうなるとロンドンから撤退する企業も増え、ポンドの価値が下がりイギリスは不景気に見舞われます。イギリスを米国に次ぐ貿易相手国としている日本は、大きな影響を受けることになります。ポンドだけではありません。EUROも連動して弱くなりますから、ヨーロッパ全体が不景気になる可能性が高いです。

世界中にとって、イギリスのEU離脱は、何のメリットもないのです。何としても押し留めたいのはやまやまですが、世界中のリーダーたちがなだめたところで、イギリスは自国の問題であり、国民投票で離脱が決まれば離脱してしまいます。サミットでもキャメロン首相に慰留の声がかけられたけれど、それ以上はイギリス自身の決めることであり、他国の口を出す話ではないのです。おまけに次期首相候補は離脱派だと言われています。

僕は今、ヨーロッパが大きく変わろうとしていると思っています。今後のカギを握るのはドイツのような気がするので、中東系移民のたまり場ブリュッセルを取材するついでに、ドイツもしっかり見てこようと思っています。

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3 comments on “6月23日イギリスのEU離脱が起こすショックとは
  1. 離脱すれば、スコットランドや北アイルランドの独立機運が高まるとも報道されていました。
    独立運動が高まると、保有している核兵器を誰が管理するのかという問題も起きます。
    いったん大きな組織に入った構成メンバーが抜けるとどうなるかは、山口組・神戸山口組の分裂と大して変わらないのではないかと危惧します。

  2. やっちゃいましたね、離脱確定。
    これから2年ほどEUとUKが離脱後の条件を話し合い、EU加盟国の合意を経て離脱となるわけですが、EUは離脱が「高くつく」ことを示すためにUKに厳しい条件を示すでしょう。
    ロンドンが金融センターだからというわけで法人を置いていた海外企業も、フランスやドイツなどに拠点を移すでありましょう。
    EUのほかの加盟国の中の「離脱派(極右勢力であることが多い)」が勢いづき、EUそのものの崩壊が視野に入ってきました。
    EUは政治的圧力を強めるという予想がなされていますが、それって、ソ連の末期に置きた状況と似ています、つまり無駄だったのです。

  3. UKの政治家の中にあえて「火中の栗を拾おう」とする気骨と先見の明を持った冷徹な人がいるのでしょうか。
    政治家にとって一番嫌な仕事は「後始末」だと思います。小泉首相も「構造改革」でがたがたになった労働環境や格差問題、行き過ぎた競争原理の万円の後始末を洲危機は全くないいでしょう。
    仮に「アベノミクス」が完全に破たんした場合の後始末もしかりです。

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