2024年4月16日

安倍首相は森友学園問題から逃げ切れるか?

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まもなく3月23日には、核心を握っている森本学園理事長の籠池氏が、衆参で証人喚問を受けることになります。僕はこれまで、いわゆる「安倍晋三記念小学校」について、ファーストレディーの安倍昭恵首相夫人が名誉校長になっていたことから、ずっと注目してきました。しかし新年度の入学予定の児童がいるという事を配慮して、表沙汰にはしてきませんでした。このたび学園側が認可申請を取り下げたということで、安心してブログを書くことにしました。

もちろん「安倍晋三記念小学校」という名称は案として出ただけで、首相に却下されたために「 瑞穂の國記念小學院」という名前で、開校準備を進めていました。これが学校用地として国から地価10億程度の敷地を、自治体などがら様々な支援を受け、ほぼ200万程度で取得していたことが発覚して問題になり、財務局や大阪府も巻き込んで真相を追求されるという事態に発展しました。これには国有地の異常な価格での売却問題のみならずゴミの埋戻し問題、金額の異なる複数の契約書、など疑惑のオンパレードですが、ここには書ききれないので、詳しいいきさつを知りたい人は、現在のところの事実関係をまとめたサイト、を御覧ください。

安倍首相は国会の場で、疑惑の籠池理事長について、何かの機会に会ったかもしれないが、親密な関係ではない。しつこい人、だと思うと言って、慌てて距離をとる体制に入りました。安倍昭恵夫人が講演をしたり、森友学園の小学校の名誉校長に名を連ねていたことも、「首相の夫人は私人である」という点をわざわざ閣議決定までして、自分からは遠ざけようとしています。最近になって、安倍昭恵夫人から籠池氏に100万円を、安倍晋三名義にて手渡していたという話までニュースを賑わせています。

森友学園の教育方針は、国家神道を軸にした戦前回帰の国粋主義的なもので、一般の戦後民主主義をベースにした教育とは明らかに異なります。ですが安倍首相らの支持母体である「日本会議」の思想と、国家神道をうたう森友学園の思想は見事に一致しています。籠池氏は日本会議の役員でもあります。僕は個人的には国家神道は間違っていると思っているのですが、思想は思想なので、どのような思想を持とうとそれぞれの人の自由です。それよりも、これほどまでに安倍首相や昭恵夫人の思想に強く共鳴する籠池氏が、安倍首相と親交がなかったと考えるのには無理があると思います。

籠池氏は報道を通して、森友学園の小学校開設には安倍首相の後押しがあったと発言し、安倍首相は国会の場で関係はなかったと主張しています。両者の主張は真っ向から対立しています。篭池氏本人の証人喚問は、最初自民党が反対していましたが、ついには賛成に回り、実現することになりました。この証人喚問で本当に真実は明らかになるのでしょうか?

真実が明らかになって欲しいと僕は思っています。国会での証人喚問は、参考人招致と違って嘘をついたら偽証罪に問われます。籠池氏はそれなりの覚悟を持って臨むと期待されます。しかし一方では、安倍首相側が物的証拠がないことを理由にして、徹底的に籠池氏が一人で嘘をついていたというストーリーで押し切る可能性もあります。

僕が一番恐れていることは、後者のケースです。国会でトカゲの尻尾きりのような隠蔽工作が行われたら、民主主義の法治国家が根底から覆されてしまいます。安倍首相の森友学園への関与がどの程度であったにせよ、篭池泰典氏という一人の民間人の問題に矮小化することなく、安倍首相夫妻、そして国と大阪府がどう動いたのかを、隠蔽工作すること無く白日のもとに晒してほしいと強く願っています。

籠池理事長は権力組織に梯子を掛けれれて、その梯子を外された格好になっています。篭池氏個人の不正行為は明らかになるでしょうが、その裏に隠された権力組織の腐敗を暴かなければ意味がありません。組織は組織を守ろうとするものです。もし政権側が何某かの工作をして籠池氏と口裏を合わせたら、、、。今の安倍政権の独裁勢力をもってすれば、民間人一人の口封じなど、簡単にできてしまいそうで、余計な心配をしているのでありました。

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2 thoughts on “安倍首相は森友学園問題から逃げ切れるか?

  1. 鍵は自民党の中にあるように思います。今自民党の国会議員は、揺れているのではないでしょうか。森友学園問題で安倍総理について行って恩を売って地位を守るか、逆ギレするかもしれない籠池発言で思わぬとばっちりを食うことを恐れて、つまり泥舟と化すかもしれないと感じてはなれるか。
    今後も日本会議に寄り添っていくのが、次の選挙で有利か不利か。
    ここで揺れる自民党員はとりあえず「洞ヶ峠」を決め込もうとしているのではないでしょうか。
    稲田大臣の扱いも参考にするはずです。
    政治家は利にさとい。泥船とみれば、せっかく連続3期まで延長した総裁の椅子に、安倍晋三は座れないかもしれません。

    1. たしかに。今回の件で安倍総裁を守りきれない、と判断した自民党議員が動き出せば、それは面白いことになるかもしれません。しかし籠池氏に水面下で懐柔策を講じている可能性もあり、篭池氏から決定打になるような証言は引き出せないように思っています。また日本会議との関係も盤石で揺るぎないものと思います。
      それほどまでに強硬なやり方をするのが、今の安倍政権です。

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