それでも安保法制は可決し、この夏から日本はテロに怯える国家になる

自爆テロ爆弾

連日にわたって国会前をはじめ全国各地で「戦争法案に反対」のデモが行われ、国会では野党の追及に、安倍首相が幼稚な答弁でのらりくらりと逃げています。首相の答弁が幼稚なのは、とりあえずやり過ごしておけば、7月中旬には法案は衆議院で絶対多数で強行採決し、60日ルールで参院から差し戻され、どのみち会期中に成立してしまう。そんなスケジュールが出来上がっているからでしょう。

せっかく街頭で汗水垂らし、全力で法案の成立を阻止しようとして、頑張ってくださっている皆さんには申し訳ないが、それが現実です。なぜならポチがアメリカまでわざわざ尻尾を振りに行って、先に約束してきちゃったからです。アメリカはアメリカ兵の血を流したくない。予算もない。そこでポチを呼びつけて、お前が戦争に参加しろ、と言ったのです。アメリカと約束してきちゃったポチは、日本の国会なんて後付けで法案を成立させればいい。そんな考えだったのでしょう。隷属国家です。

アメリカは絶対に中国と戦争はしたくありません。なのになぜ日本の多くの人は中国を日本の仮想敵国だと見なしているのでしょうか。たかが尖閣諸島で領海侵犯されたくらいで、なぜそれを脅威だとあおり立てるのでしょうか。それは敵が攻めてくるという恐怖をあおれば、国家総動員がたやすくできるからです。宇宙人が攻めてきたら地球人は団結するのと同じ原理です。昔から使われてきた手口です。そこに中国の経済的進出の恐怖、中国人観光客のマナーの悪さなどを絡めて、日本中全員中国嫌い体制を作りました。大政翼賛会まであと一息です。なにせ安倍首相には、憲法なんてなんのその、という開きなおりがありますから。

日本はまもなく、戦後政治史上最大の失敗をします。戦後70年にわたって守り抜いてきた、絶対的平和主義を、自分からかなぐり捨てるのです。戦後70年の間、日本は絶対的平和主義のもと、自衛隊は一発の銃弾も敵に撃つことなく、平和と繁栄を築き上げてきましたが、それは過去の美談となるでしょう。そしてアメリカ同様にテロへの恐怖に怯える国家になるのです。今まで日本のパスポートを持っていれば世界中どこへ行っても安全でしたが、これからは後藤さんのように首を切られるかも知れません。敵を作るというのはそういうことです。

現代の戦争は、昔のように戦車でムリムリと攻めていくスタイルではありません。テロも戦争の一部だとしてカウントすれば、アメリカは戦争に負け続けています。911で中枢をドカンとやられ、大敗北です。そうです、世界最強のアメリカ軍でもテロは防げないのです。対テロ戦に日本も巻き込まれます。日本でテロを起こそうと思ったら簡単です。爆発物を入れたスーツケースを持って東海道新幹線に乗り、何気なく座席に置いて、立ち去ればよいのです。自衛隊に何ができるでしょうか。

東海道新幹線は三島あたりで東名高速道路と接近していますから、そのあたりでドカンとやれば、日本は東西分断されてしまいます。なんのセキュリティー対策もない時速300キロメートルの新幹線が、今まで無事であったのは奇跡的なことです。それは日本の憲法に絶対的平和主義があり、どこの国も敵に回してこなかったからこそ、なし得た偉業です。国際社会にも、日本=戦争をしない国という概念が、行き届いていた結果だともいえるでしょう。そんな平和な時代が終わることを、僕は心から悲しみます。

###

4 comments to “それでも安保法制は可決し、この夏から日本はテロに怯える国家になる”
      • 行政行為(外交)が問題になった砂川事件判決と異なり、今回は憲法解釈「法理」ですから、少なくとも判断留保はしないでしょう。

  1. テロが嫌だから、集団的自衛を放棄する、これは取り得る選択だと思います。
    その代わりに各個撃破されます。
    やる気満々の国の隣で自衛をどうするか、永遠に続く問題ですね。
    こういった生存に関する問題に司法がどの程度関与するべきなのか、司法としての思いが別にあるんでないかと思います。

じせん へ返信するコメントをキャンセル

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください