中国の南シナ海で埋め立て工事、ヤバすぎる

minamishinakai中国との領土問題というと、私たちは尖閣諸島への干渉をまず思い浮かべます。けれども中国のアジア太平洋地域への侵略行為はそれだけではありません。むしろ南シナ海の南沙諸島(英語名、スプラトリー諸島)でのベトナム、マレーシア、フィリピン領海に隣接する海域で、島ではない岩礁を人工的に埋め立てて、無理やり島を作り、そこに軍事基地を作っている行為のほうが、はるかにビックリです。スキューバ・ダイビングが好きな僕としては、あのあたりのサンゴ礁は最高に美しい海域だけに、無粋な軍事施設を作られるのは嫌だなあ、という気持ちがありました。(辺野古新基地についても同じ気持ちがありますが)。

なんとなく南沙諸島の近辺の国々が小国でおとなしいのをいいことに、黙々と中国は島づくりを進行し、ムリムリと領土を拡大し、まわりも黙ってそれを許しているように僕は感じていました。しかしいくらなんでも、これはあからさまな軍事侵略だろう、黙認できるレベルではない。お互いに何らかの声明を出していないのか、と調べてみました。

6月8日、ドイツで行われていたG7先進国首脳会議では、南シナ海、東シナ海の現状について、

大規模な埋め立てを含む現状の変更を試みるいかなる一方的行動にも強く反対する

と明確な姿勢を示しました。アメリカは12海里以内への偵察活動も行うと強気な姿勢をしめしました。フィリピンやベトナムといった小国では、大国中国に対して、単独で抗議したところでバカにされてしまうのがオチです。(4月末に開かれたASEAN首脳会議では、埋め立てに対して「深刻な懸念を共有する」というこれまで以上に強いトーンの議長声明が出されましたが)だから国際社会レベルで発言力があるG7の声明は、やっと出てきてくれたかという感じです。ついでに尖閣諸島へのちょっかいにも、何かしら良い影響があれば、と期待してしまいましたが、そちらは今日また領海侵犯があったようでガッカリです。

一方、中国側は南シナ海への進出を、どう正当化しているのでしょうか。中国国防省は先ごろ「中国の軍事戦略」と題する初の国防白書を発表しました。そのなかで強調されているのは、「積極的防御戦略」という、今までとは異なる「積極的」という言葉が追加された表現です。

「韜光養晦 有所作為」

という「近隣諸国とは関係を維持し、大人しくしておいて、やるべき時にはやる」という姿勢から、

「韜光養晦 積極的有所作為」

に変更し、必要があれば積極的に出ていって領土を守る(中国は南シナ海を自分の領海だと思っている)という姿勢です。「海外利害関係区域」という表現を用いて、国外に活動範囲を広げたのです。これでは関係国との軍事同盟を強化しているアメリカと、ガチでぶつかるのは避けられないように思います。大国と大国の軍事プレゼンスの問題だからです。これは一触即発、かなりヤバイ状況であると思います。

中国は最近になって、若干日本への姿勢を軟化しましたが、このように大きな世界のパワーバランスが働いているとなると、日本一国ではどこまで解決できるか、甚だ不安であります。中国は鄭和という人が明の時代に南シナ海を制覇していた時期があり、彼らの論理によるとその時に戻そうという話になります。領土問題では、昔の話をぶり返すのは禁物だと僕は考えています。それよりも現状を変更しないこと、を優先するのが平和の鍵になると思うのです。武力を持って現状の国境線を変更するのは、基本的に悪だとしなければ、国際社会で平和を維持するのは難しいと考えます。

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