安部政権の暴走を許しているのはマスメディア自身の愚かな自主規制だ

メディアに影響政権の右傾化よりも最も恐ろしいのは、先日のISILによる人質殺害テロの時に見せた、日本中のマスコミが見せた異様なまでの政権追従ぶりです。「人命がかかっているのだから今は政権批判はやめとけ」と言われて「はい!」と素直に沈黙してしまったことです。「こういうときは日本中が一丸となってテロと戦わなければいけない、政権批判をして分裂していては敵の思うつぼだ」といったもっともらしい意見は、一件なるほどと感じてしまうが実は全く意味は無いのです。緊急事態という言葉で思考停止してしまっただけなのです。よく考えて見れば、大いに政権批判をしたところで、人質の命になんの影響もあるわけがありません。言葉のトリックです。

ベトナム戦争の時もアメリカのメディアは自由にものをいい、後半は反戦の論調を書きたてて、しだいに戦争終結に向かっていきました。マスコミが何を書こうと別に戦局で不利になったりはしないのです。日本のマスコミにも、果たして戦時中に政権批判ができるでしょうか。一転して戦争の旗振り役になってしまうのではないでしょうか。このあいだのテロの時に、米有力紙ニューヨーク・タイムズ東京支局長のマーティン・ファクラーさんは、日本が重大な局面を迎えているにもかかわらずさほど論議が交わされていないことが不思議でならなかったといいます。その背景にメディアが機能していないことを指摘しました。

日本のメディアの報道ぶりは最悪だと思います。事件を受けての政府の対応を追及もしなければ、批判もしない。安倍首相の子どもにでもなったつもりでしょうか。保守系新聞の読売新聞は以前から期待などしていませんでしたが、リベラルの先頭に立ってきた朝日新聞は何をやっているのでしょう。もはや読む価値が感じられません。

私がいま手にするのは、日刊ゲンダイ、週刊金曜日、週刊現代といった週刊誌です。いまや週刊誌の方が、大手紙より読み応えがあるのです。

安倍政権になり、世論が右傾化したという人もいますが、私はそうは思いません。世論はさほど変わっていないでしょう。変わったのは、メディアです。

~省略~

「国家の危機」はメディアを機能不全に陥らせる怖さを潜んでいます。今回の邦人人質事件でも「国家の危機に政府を批判するとは何事か」「テロを容認するのか」という声が一部で上がりました。筋違いな話です。

今回、日本メディアはあまりにも簡単に批判をやめてしまった。しかし、2人死亡という事態で沈黙してしまったら、国内で数千人が犠牲になるようなテロが起きた際、一体どうするのでしょうか。

国家の危機にこそ、メディアは権力が暴走しないよう目を光らせなければならない。冷静さを保ち、建設的な議論を展開しなければならない。

日本のメディアには一刻も早く目を覚まし、本来のメディアとしての役割を果たしてほしいと思います。さもなければ、メディアとして語る資格はもはやないでしょう。

かなり痛烈な批判です。でも日本中のマスコミは頭から水をかぶってでも目を覚まさなければならないでしょう。マスコミ自体が平和ボケをしているのだから。これは僕自身が自分のペンの脆弱さに気がついたということです。記事を書きながらいつのまにか挙国一致のムードに流されそうになっている自分に気がついたのであります。先の戦時中、マスコミが一斉に戦争への旗振り役となってしまった愚を繰り返さないといえるでしょうか。何も政権から強制されるまでもなく、自分からしっぽを振って自主規制し、大本営発表をしそうなマスコミが増えているのではないかと、真剣に憂慮するものであります。

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3 comments on “安部政権の暴走を許しているのはマスメディア自身の愚かな自主規制だ
  1. 政府批判的な記事を構成すべき、現地ジャーナリストや現地に展開する日本企業などの情報ネットワークがないゆえ、ネタ不足があったのではないかと感じていました。
    安倍総理の中東歴訪と難民援助資金拠出演説は、ネタとして乏しい。
    ISからの動画が流れたとき、そこに政権批判唯一の手がかりとした姿勢が貧困だったのではないと思います。
    後藤さんや湯川さん、さらには山本美香さんの命を奪った遠因に、日本の報道機関の中東現地情報網の不足があったとは言えますまいか。
    ジャーナリストの命を守るのは、実は政府などではなく、報道機関や現地で頑張る民間企業からあがる正確な情報であり、その強固で信頼に足るネットワークではないでしょうか。
    政権批判の自粛ムードに隠れているのは、報道機関の情報不足。
    情報不足を招いているのは、国際報道における優先順位と資源配分を誤ったためだと、報道の受け手としては感じています。
    報道自粛あるいは委縮の結果かどうかは分かりませんが、今回の人質事件でのニュース内容は、情報が平板で広さも深さもなく、つまらなかったとは確実に言えると思います。

  2. 実は去年の10月から後藤さんの妻や政府はテロリストと交渉していて、映像が投稿された今年の1月はエンディングに過ぎなかった。常岡さんらをなぜか利用しなかった。など真相を探ると、もっと出てくるんですけどね。テロリストと交渉中にも安倍さんは解散総選挙をやってのけ、安倍さんにはもともと後藤さんを助ける気が無かったのがバレバレになると困るからでしょう。

  3. 自主規制というのは具体的には屁のように音もなく局内に漂ってきます。会長が理事に「考慮してください」と伝える。理事は人事権を使って局長を左遷させ、自粛派の人物を局長に据える。新局長は部長に「ひとつ穏便に」と伝える。部長は自粛気味な提案だけを採択しCPに作らせる。PDは次第に自粛した提案ばかり書くようになる。かくして局内全体に自粛ムードが充満するのでありましょう。

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