大量破壊兵器なんて無かったのに【動画】

核はなかったフセインの口

今でこそイラクを支配しようとしてシリアからの一帯でブイブイ言わせてるISIL(イスラム国)ですが、なにもない砂漠から湧いて出たわけではありません。そもそものルーツはアメリカがフセイン政権時代のイラクを、大量破壊兵器を保有しているに違いないと理由をつけて総攻撃し、ぶっ潰してしまったのが原因です。2003年3月20日に開始されたアメリカの対イラク戦争のことです。ぶっ潰された、その残党たちが立ち上がって今のISIL(イスラム国)となった。つまりアメリカは今、その責任を取らされているのです。

フセイン政権側の残党スンナ派が、新しくできたシーア派の政権に虐げられながらも生き延び、今ISIL(イスラム国)として反撃に出たのには理由があります。一つにはアメリカ軍はイラク全土を制圧して国を崩壊させ、問題の大量破壊兵器を探したけれど結局、それは見つからなかったという歴史があります。つまり保有してもいない生物・化学兵器などの大量破壊兵器について、保有していると濡れ衣を着せられ、国を潰されてしまったのです。ブッシュ大統領時代に起こしたこの戦争について、後にオバマ大統領は間違いだったとして全陸上戦力を引き上げました。写真は2003年12月13日に穴の中に逃げ隠れていたサダム・フセイン大統領を見つけ出して捕らえ、身体検査している時のものですが、ある雑誌で「口の中まで探したが大量破壊兵器はなかった」と見出しがついていて笑いました。この歴史を忘れてはいけないでしょう。

それだけではありません。たしかにスンニ派のフセイン独裁政権を崩壊させ、イラクを潰しました。が、占領中に次のそれに変わる新しい安定した統治機構をアメリカはうまく作れなかったのです。つまり戦後への移行のスタートに失敗したのです。かつて日本が終戦を迎えた時、マッカーサー総司令官がGHQを指揮して、新たな日本をスタートさせるのに成功しましたが、イラクではそううまくは行きませんでした。戦争は勝つのは簡単だが勝った後の後始末が大変なのです。イラクで選挙を行えば多数派であるシーア派の大統領が生まれます。そうするとかつて支配者階級であったスン二派とうまくいくわけがありません。国をめちゃくちゃにされた挙句、2010年8月31日に、アメリカは終結宣言をして完全撤退してしまったのです。

イラクの政情がいつまでたっても安定しないのは、そのためであり、アメリカはイラクに憎しみと恨みだけを残して立ち去りました。そこへおとなりのシリアではアサド政権のせいで、やはり国情はめちゃくちゃです。ISIL(イスラム国)が台頭するには絶好の条件が揃っていたというわけです。今、アメリカは日本も含めた有志連合でISIL(イスラム国)に対抗していますが、そもそもの原因を作ったのはアメリカであり、アメリカはその後始末をしているのだと言う点を見逃してはなりません。しきりにISIL(イスラム国)に対向するのは国際社会と言っていますが、その実態はアメリカとその尻拭いを手伝う仲間たち、といった構図が、僕にはうかびあがって見えてくるのです。

なんともジャイアンの喧嘩に喜んで付き合うスネオになるか、しぶしぶ付き合わされるのび太になるかの選択のようです。

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2月8日0940追記;もっとわかりやすくするために、池上彰解説のラジオを字幕入り動画にしましたのでごらんください。

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8 comments on “大量破壊兵器なんて無かったのに【動画】
  1. 惜しむらくは、アメリカの州(たとえばカリフォルニア)で「イスラム立国」してほしかったですねえ。
    南北戦争以来の国内の「反政府主義者」に、普段は都合よく「ジンケンガー」に変身するミスターアメリカがどう対処するか見たい。
    ジャイアン(=アメリカ)は、もっぱら同学年の友達における「顔」が描かれているばかりですが、家庭内問題をどう処理するかはわからない。
    「反政府イスラム勢力」が、軍の中に発生する悪夢のような事態はアメリカにとって「いい薬」になるのかなあ。

  2. 何処の国でも矛盾(多くはダブルスタンダード)は存在しますが、特に米国の二枚舌には観ているほうが舌を巻きます。さすが弁護士が儲かる、とどのつまりは大統領になってしまう国だけのことはある。

    上手く仕立てられた壮大な学芸会であっても、ニュースになるような事件の起きたその前後に何があったのか。自身、目を皿のようにしてニュースを追ってます。それから武器商人は何時の世も儲かるという事実を忘れないで物事を観るようにしています。

    ↑のS.フセイン絡みの件は完全なる言いがかりでしたね。自国民をそして他国を『それなら仕方がない』と言わしめるため、納得させるための大義名分作り。新の目的は全く別物。上手いのです。アメリカの十八番だと常に感じています。そして今の日本政府も“正面きって堂々と”アメリカ流の真似をしはじめたような。。。隠れてやればいいという話でもありませんが、見え透いた行動にも腹は立つものです。

    『お前のせいだ!』と国際非難の的になるのは、世界の警察気取りとしては孤剣に関わるので、面目を保つために後始末をしようとしている『振り』をしているのでしょうが。現金は、ですが武器の在庫は消費期限が迫っているほどあるそうです。大企業からの突き上げも凄いことでしょうし。
    次期、政局を再び共和党が握ればまた事態は二転三転どころではない変化を遂げると思われます。。
    嫌だな。。(←本音です)

  3. 初めまして。後藤さんへのバッシングが、という記事で初めて杉本さんのこのサイトを知りました。遡って何件か読ませて頂きました。非常に勉強になります。

    さておき。これはアメリカの十八番だと私は感じます。正義を名乗って軍を利用すること、その後のお粗末な処理/対応/世話、自分たちの国内で起きている深刻な問題を棚に上げること、都合が悪くなりそうな時や既にそうなっている時ばかりUNを名乗ること。得意中の得意ではないでしょうか。結局アメリカは究極の資本主義国家で、世界平和なんて心底どうでもいい連中が政治を牛耳ってるからこのような事態になるわけであり。

    自己否定ではないですが、しょせん日本(の政治家)なんて欧米に媚びへつらう姿勢が拭い切れてない、下手したら拭う気すらないと思います。なので今回ももれなく、世界的な地位を維持するためなり、それ以外の見返り/称賛を期待しているなり、理由は何にせよ安倍はスネ夫にものび太にもなると感じます。いつもジャイアンの味方であるように装おうスネ夫は、影でジャイアンの悪口を言ってるわけですし。嫌々、無理矢理参加させられるのび太も結局は自分の主張がない、若しくはそれを通せないのであり。果たしてUNが未来からの秘密道具を持ち出せるかどうか。。。

    以上、勝手な想像と意見でした。

  4. 湾岸戦争、イラク戦争を主導したのはアメリカです。そのアメリカは軍産複合体の国です。 軍需産業(経済的)と国防総省(軍事的)と議会(政治的)とが密接に繋がっています。 一説には彼らは、15年に一度、戦争をしなければならないのだ、と言われいます。そうです、現在保有する通常兵器を消費する為に… ベトナム戦争終結は1975年、湾岸戦争は1990年、イラク戦争開戦は2003年と言うように… イラク戦争を決めたブッシュ大統領(息子の方)は、ご本人も認める2世のお馬鹿さんでした。 イギリスのチャールズ皇太子が離婚や皇位継承放棄問題でゴタゴタしている時に、エリザベス女王に謁見した彼は、『英王室も皇太子問題で色々とあるようですが、私もブッシュ家の問題児と言われていたんですよ。』と言って、女王を呆れさせたそうです。 そんな大統領を軍産複合体の連中が、上手く取り込んでのイラク戦争開戦だったのではと思いますよ。 因みに湾岸戦争当時の大統領は、お父さんのブッシュ氏でした。 我が日本は、湾岸戦争の多国籍軍に1兆円余りを拠出し、イラク戦争では陸海空の自衛隊を派遣し、今まで十分に関与をして来ました。 私は今後、今回のイスラム国問題で再び、有志連合に拠出を強いられる可能性も あるのではないかと思っています。

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