消息を絶ったマレーシア航空370便の真相(4)

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謎の失踪から12日を経過した今だに情報は不足し、乗員乗客の安否はもちろん機体自体が行方不明のまま、事件か事故か、墜落か着陸か、テロかハイジャックかはたまた機長の自殺かさえ分からず、真相の究明が困難を極めているマレーシア航空370便の捜索。航空評論家でさえ憶測でしかコメントすることができない状態だ。まさに航空史上最大の現代のミステリーであります。

なぜこんな事態が続いているのか。第一に最も情報を握っているアメリカの防諜当局が意図的に初動捜査をミスリードし、5日間も小国たちに南シナ海を捜索させていたという点については、「消息を絶ったマレーシア航空370便の謎を解く(2)」で指摘したとおり。ですので真相究明はいったん横において、ここからはミステリー小説ばりに推測で話をさせていただきます。

その前にまず今までに明らかになっている事実を確認しておきましょう。

  • MH370便はクアラルンプールを離陸後50分 、上空35000フィートに達した時点で進路を北から西に急変し、同時に地上との交信を一切絶った。
  • 交信の切り方は、まずエーカーズ(ACARS)の電源を切り、14分後にトランスポーダの電源を切り、それから副操縦士による「Good Night」で終わるという実に冷静なものだった。〜これにより瞬時爆発説はなくなった。
  • MH370便は西に進路を変えた後、少なくともおよそ6時間にわたって飛行を続けたことが、軍事レーダー、衛星からの情報等によって判明していたことが公表された。
  • 乗客の中に操縦能力を持つものが一人もいないことが乗客名簿から調査することで判明した。〜これにより少なくとも操縦桿を握っていたのは機長である可能性が高まった。
  • 家宅捜査されたザハリー・アーマド・シャー機長(53)はベテランのマレーシア人で、自宅からはモルディブや米軍基地などに着陸する練習をした形跡の残るフライトシミュレータが押収された。副操縦士は若いマレーシア人であった。
  • 3月20日現在、MH370便の機体の一部等は発見されておらず、中央アジアのカザフスタンとトルクメニスタン国境方面に向かった可能性と、インド洋のどこかに向かった可能性の両面から捜索が続けられている。

これだけ判れば真相究明はともかくミステリー小説を書くには十分でしょう。あと材料として欠けているのは、肝心のハイジャックに至った動機(目的)だけです。

(1)発想を飛躍させてみよう。ザハリー機長と副操縦士およびクルーが、全人代の行われている北京に向かうのが嫌になり、全員で南の島にリゾートライフを求めて逃避行した。・・・だったら笑えるのですが、これはありえないでしょう。

(2)ザハリー機長をはじめ全クルーが実はイスラム過激派グループとつながりがあり、ボーイング777の機体を自爆テロ用に利用するため、中央アジアの秘密の滑走路に着陸させた。そして今後乗客を人質にとって次なる要求をしてくる。あるいは既にアメリカ当局に対して交渉を続けており、アメリカはその事実を隠蔽したまま対策を講じている。・・・乗客の生命が無事であることを期待させる唯一のストーリーかも知れません。

(3)全人代の行われている北京に自爆テロを計画したが、事前に中国当局に察知され、スクランブル発進を受けた。やむなく撃墜から逃れるためという名目でクルーや乗客を説得し、機影を消して西へ向かってステルス飛行を続けた。中国軍戦闘機に情報を与えないため、考えうるあらゆる交信を遮断し、不時着地点を探しているうちにインド洋上で燃料が尽きて墜落。あるいは自爆テロは計画していなかったが中国軍によるスクランブルを受けて、撃墜を逃れるために同様の手段をとった。・・・国際問題に発展するため、これまた米国防諜機関としては公表しづらいストーリーでしょう。

(4)ザハリー機長が巡航高度に達した時点で操縦をオートパイロットに切り替え、副操縦士に任せた。その状態でコックピットを出てトランスポーダの電源を切りに行った(電源はコックピット内にはない)。14分後戻ってきて、副操縦士に最後の交信をさせた直後、副操縦士と機関士を殺害。コックピットに一人でこもり鍵をかけた。それから最も残骸の発見されにくいインド洋をめざしてステルス飛行し、自殺を試みた。・・・もっとも残念なストーリーではありますが、可能性としてはあり得ない話ではありません。機長の自殺というのは過去にも例があるからです。

さてこの四つのストーリーの中に、真相があると僕が考えているわけではありません。あくまでミステリー小説のプロットにすぎません。事実関係が解明され、真実が明らかになる日を待ち遠しく思うのみです。あるいは数週間の後、捜索は打ち切られ、事件は永遠の謎として迷宮入りという結末をむかえる可能性も極めて高いと考えています。それは当事者にとって解決済み、を意味すると同時に何者かによって「何かが隠された」と僕は受け止めることになるでしょう。

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