消息を絶ったマレーシア航空370便の謎(3)

マレーシア航空3

失踪したマレーシア航空の行方をめぐって、真相を究明しようとすればするほど消息はわからず、謎は深まるばかりであった。このシリーズの前回の記事「消息を絶ったマレーシア航空370便の謎を解く2」では、アメリカが情報を握っていながら5日間もリリースしなかった不自然さから、コックピットで意図的に行われたエーカーなどの通信設備の遮断など、相当に熟練した者による「なんらかの公開したくない異常飛行が行われた」と結論付けた。その動機なども永久に解明されないだろう、とも予測した。航空評論家も手を出せないゾーンに入ってしまったのである。

マレーシア航空機が消息を絶ってまもなく10日が経とうとしている。生存者がいる可能性は残念ながら極めて少ないとも結論付けた。基本的に僕のこの見解は変わっていない。現在解っていることは1時7分にエーカーズ(ACARS)が意図的に切られ、直後の1時21分にトランスポーダーが意図的に切られ、それから370便は西に向かって約6時間飛行を続けたということ。到達地点としては最大で北よりに進路をとった場合タジキスタンとトルクメニスタンの国境付近、南よりに進路をとった場合インド洋に燃料切れで墜落という二つのルートが考えられる。これだけである。

こうなると肝心の「目的」「動機」に関心を向けざるを得ないが、残念ながらこれが解明されるのは限りなく不可能に近いと言わざるを得ないだろう。乗客の中に操縦経験者がいなかったことから、パイロット自身および副操縦士、整備などにあたった航空関係者が自宅捜査も含めて追及されているのは当然のことだろう。パイロットの自殺説なども流れているようだが、副操縦士、機関士もいるコックピット内で、一人で自殺を試みることは難しい。可能性は低いが、中央アジアへの着陸の可能性もないわけではない。乗客の生存に一縷の望みを託すなら、これ以外は考えられないが、自殺を試みるよりさらに難しいだろう。

僕はインド洋に墜落したという可能性が高いと踏んでいるが、これに実証が加わり、パイロットの自殺という話にしておけば、八方丸く収まる。ブラックボックスが見つかる可能性は極めて低い。こうして「なんらかの公開されたくない異常飛行」の動機と詳細は明らかにならないまま、やはり事件はやぶの中ということになって捜査は断念されるのではないだろうか。残念ながら僕のこの結論を揺るがすだけの情報は、今のところ入ってこない。

【動画】マラッカ海峡を捜索する米海軍

限りなく少ない、中央アジアへの着陸により乗員乗客がハイジャック犯により拉致されているという可能性に、一縷の望みを託しながら無事を祈るばかりである。

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