オーガニック+リサイクル=BSE




こんなタイトルを見るとびっくりする人も多いかもしれないですね。
昨日、今日と連日トップニュースで繰り広げられている、アメリカ牛肉輸入をめぐって、アメリカの農業担当省と日本が繰り広げているバトル。
この秘密を解く鍵は、実はこのあたりにありそうなのです。

有機農法、オーガニック栽培、このあたりの区別を正確に理解している日本人はどれくらいいるでしょう?
漠然と「自然派」はカラダに良い「ケミカル」はカラダにわるい、などと単純にイメージしている人もいるかもしれません。
ナチュラル成分100パーセント、なんて言葉にも弱いのがこれまた人間のサガのようでもありますね。

ナチュラル(自然そのまま、人間の手がかかっていない)という言葉の反対語はアーティフィカル(人工的な、人の手によってつくられた)であります。
ナチュラル(自然)の反対語がケミカル(化学)なんてのは、とんでもないすり替えであるわけですが、なんとなく土の付いた野菜はカラダに良さそう、というレベルで適当に納得してしまう日本人の浅はかさが、ちょっと悲しい気がします。

オーガニック(有機物)は、学校の理科で習ったとおり、自然界に存在して生命体などを構成する主に炭素を含む糖類などの化学構造を持った物質のことであり、その反対語はミネラル(無機質)というマグネシウム、亜鉛、などの金属類や塩などです。

ナチュラル(自然)← →アーティフカル(人工)

オーガニック(有機)← →ミネラル(無機)

ちょっと考えればわかることですよね。
この実は全くベクトルの異なる4つの概念が、ナゼカごちゃ混ぜにされて、各企業の都合の良いように、その都度組み合わせて翻訳されてきたあたりに、ごまかしと悲劇を感じます。
理系に弱い購買層を主要マーケットに、イメージだけで漠然と「自然派」を奨めてきたツケが、日本でもそろそろ回ってきそうな気がしています。
その代表的な例が、今回のBSE問題です。

よく勘違いしている人がいますが、BSE(狂牛病)問題は鳥インフルエンザなどとは違って、ウイルスでも細菌でも感染症でもありません。
プリオンという、単に肉を構成するタンパク質にすぎません。
肉の成分そのものですから、焼いても煮ても消えないのです。

そして!もっとも驚くべき事。
このBSEの原因となっているのは、皆さんご存じの肉骨粉なわけですが、これは化学肥料でも農薬でもありません。
100パーセント純粋に生物由来成分です。

実は肉骨粉こそオーガニック
なわけです。
さらに、これは精肉の段階で捨てるのが勿体ないと、再利用をする近年の発想から生まれたもの
肉骨粉こそ究極のリサイクル
なわけです!

ですから、タイトルにつけたように、
「オーガニック+リサイクル=BSE」という結果は、まんざら予想できなかった皮肉な結果とは思えません。
今回の日米牛肉バトルは、太平洋戦争が経済戦争になって以来の国をあげたバトルですから、ただで済むわけはなく、今後さまざまな波紋を広げるような気がします。

そのときオーガニック、有機、エコ、ナチュラル、などの横文字を漠然とイメージでごまかして使ってきた分野にも、まもなくメスが入ってきちんと定義し直し、国民に明確に説明することになるのでしょう。
「この野菜、泥が付いてるから新鮮だわ」といったのんきな発想が通用した時代が終わりを告げる日が、刻々と近づいているのを肌で感じつつ、国民の命を守る食料安全情報を、わかりやすく正しく伝えていきたいと、あらためて責務を感じている次第であります。

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