東京物語

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ことし最後の五月晴れ。
そんな言葉がマスコミで飛び交うと、数えてみても東京で一年に何日あるだろうかという快適な気候を、散歩日和として逃してはなるものか!と慌てて休日の午後の散歩に出かける。

日比谷公園でもめざして歩こうかと思ったところで、愛宕山を登ってチーズ屋をのぞき、ついでにNHK放送博物館がみえたので、ちょっと気恥ずかい気もするが、富田勲さんのモーグIIIでも妻にも見せこうかとちらりと立ち寄ってしまいた。

入ると、なんと朝ドラのヒロイン宮崎あおいちゃんご本人がで迎えてくれました!と思ったら等身大の人形でした。と思ったらぺらぺらのパネルでした。(早く気づけよ)

「これがテレビカメラですよ」「アナウンサーはここにすわるんですよ」「ここに原稿が見えるんですよ」と親切に見学者案内をしてくださる方に、進められるままに模擬キャスター席に座ると、いつの間にかその写真を係の方がとっていて、プレゼントにくださった。スタジオパークと違ってすべて無料である。

「これがお天気カメラで…」と東京タワーのライブカメラを動かす実演を、係の方がしてくださるのだが、そのとき外がザーザー降りになったことに僕は気がつく。
「さっきまでよいお天気で、とってもいい景色をお客様にお見せできたんですが…」と担当の方はしきりに残念がるが、僕が懸念しているのは景色のことではない。どうやって帰るのだ?! いったい。傘も持ってきてないのに!

山を下りたらほぼ自宅なのだが雨の勢いは収まらず、山を下りる途中にあるチーズのカフェで雨宿りをしていたら、結局チーズを買うことになり、そうなると結局とワインを買うことになった。

マイマイ!
自宅まで100メートルというところで、壁にへばりついているマイマイを妻が見つけた。僕もカタツムリではなくマイマイを見たのはものすごく久しぶりである。
雨に濡れた悔しさなどわすれてしまう気分だった。

結局めずらしくもない、きわめてオーソドックスな近くだけのお散歩におわり、眠気を感じながら自宅に帰るとおいてあったDVDが、「天使にラブソングを」と「東京物語」という、これまたきわめてオーソドックスな映画が2本。

「東京物語」は、いうまでまなく小津安二郎監督のあれである。
ここでワインを飲みながら見たら寝るだろうと思い、でも二人でワインの一本目をあけてから、DVDをスタートすることにした。
で、どちらを先に見ようかという話になった。
酔っているとはいえ、まだ午後の9時、睡魔に襲われるほどの時間帯ではない。
が、ここで「東京物語」の方を選んだら妻が寝るのは間違いないと思われたので「天使にラブソングを」を選んだ。

・・・。

DVDをスタートさせてまもなく、ウーピー・ゴールドバーグが踊り始める前に、妻は寝息をたてていた。

今、僕は一人で「東京物語」を再生している。
すばらしい映画だ。
思っていたより、笠智衆さんは目が大きく、また眼光も鋭いことに気づき、あらためてファンになった。

東京物語

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